野人思考のルーツ
野人は人類が間違えてどうにもならない健康、環境、食に関する生命文明を本来の形に基礎から築き上げようとしている。
野人の思考をそこへ導いたのは、ヤマハへ入社間もない「じいさま」の言葉だった。
「世の中、これだけ人類の文明が栄えたのは不可能に立ち向かった男達がいたからだ、人からバカ呼ばわりされて、それでも針の穴のような1%の可能性を何年もかかってこじ開けたからだ。だから空も飛べたし海にも潜れる。大勢の人間は、それらの男達が生涯を費やして積み重ねた恩恵を受けながら、さらに未知の世界へ立ち向かおうとする男をバカにする、常識外れだと・・
お前達はそんな人間にはなるな」
「お前は死ぬなよ、そして必ず皆を守れ、島の人も含めて」
じいさまのこの命令に応えられず3人の犠牲者を出した。
入社時から野人は社長直轄の特務員が16年間続き、命令を出す上司はじいさまだった。
海山などの自然界の仕組みは、幼少より本や教師に頼らず自力で学び続けたが、思考の起点と順路、それに人間としての意識の在り方はじいさまから教わったもの。
それがなければ人として未熟なままだっただろう。
常識とは、人が自分の無力さを慰める為に作った言葉かも知れない、そこに自ら壁を作るようなものだ。
そうして立派な理由が出来上がる。
社長としてヤマハを世界に広げたじいさまは、発明、生産の道を歩き多くの人に夢を与え続けたが、野人は別の道を選んだ。
表には出ず生命を育む表土と森、それらを支える根っこに徹する。
じいさまのような華々しさはないがこれが野人の道だな。
2008年4月
2008年5月
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2011年2月
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