深刻な海の生態系の崩壊
ベーリング海は、海氷が所々存在する「極圏海域」とされてきた。だが、人為的な温暖化が進み、ベーリング海は亜寒帯海域に変わりつつある。
22、23両年には大量死を受けてズワイガニ漁が禁止された。年2億2700万ドル(約340億円)規模だった水揚げ高はゼロになり、水産業は大きな打撃を受けた。
18、19年に海洋熱波がベーリング海を襲い、ズワイガニの代謝が上がったが、そのカロリー消費を賄うだけのエサが存在しなかったために餓死。さらに、海水温上昇でマダラが北上し、わずかに生き残ったズワイガニを食べ尽くしたという。
暖かい海に生息するマナガツオやマンボウ、ビンナガマグロがアラスカ湾やベーリング海で見られるようになった。
ベーリング海だけでなく世界各地でこれと同じような生態系崩壊が進んでいる。
屋久島から伊勢志摩へ来て40年以上、毎年潜って海の状況を観察、その変化がよくわかる。
温暖化が進んだのは間違いなく、アカハタなど以前は見られなかった南方の魚が増え続け、関東方面でも釣れるようになった。
しかしこの3年の海の崩壊は悲劇と言えるほど酷過ぎる。
温暖化と言うより、温暖化による豪雨で海への濁流の流出量が桁違い。
それにより表土の肥料などが大量に伊勢湾へ流れ込んだ。
それまでも濁流はあったが、魚貝がここまで死滅することはなかった。
膨大な肥料分に加えて相当な量の農薬が原因であり、逃げられない貝類はじめタコなどほぼ全滅、多くの漁師が廃業した。
40年間毎年のようにいらっしゃったタコとサザエはこの3年間一度も見たことはない。
それだけでなく海藻など海底と磯の様相がすっかり変わってしまった。
野人には死の一歩手前の海に見える。
温暖化に人災、一番困るのは人間であり、海山の自然界は温暖化が進もうが
氷河期に近づこうが、その地に見合った生態系が築かれる。
それがこれまで繰り返された地球の歴史であり生命の歴史だ。
ブリを食べる文化のない北海道でも大量のブリが北上して来た。
人は新たな食文化に対応出来る知能を持っているが、多くの生き物は流れに身を委ねるしかなく、絶滅だけでなく新たな進化も始まる。
自然界には逆らえないが、人災は修復出来る。
修復出来なければ他の動物同様に自らも滅ぶ運命が待っている。
人知で壊したものは人知で、欲で崩壊した者は欲で復元すれば容易。
山の表土だけでなく平地の表土もすべて破壊、川も海も汚染されれば人は生きて行けない。
環境復元 共にやりたい人 クリック